裁判物好きならお勧め「裁判長!」シリーズ
「裁判長!」シリーズは作画/松橋犬輔、原作/北尾トロで、「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」ファーストシリーズとサブタイトル「ぼくに死刑と言えるのか」のセカンドシリーズとスピンオフ的な「裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか」などがあります。
マンガも原作も面白い作品です。裁判マニアの傍聴したリアルな体験談が描かれています。この中でもお勧めなのが、作者の実体験をマンガ化した「ぼくの弟」です。
裁判マンガを描いてきて、まさかの自分の身内の実話ということで作者自身苦しんで描いたというだけあります。ただの傍観者という立場で見る裁判ではなく被告人側の身内の立場としての苦しみが切実です。特に母親が苦しむ姿が切ないのに被告人である作者の弟のあっけらかんとした様子がギャップがありすぎて弟にイライラきてしまいます。
ラスト直前にはさすがに作者が弟に「母親を泣かせると許さない」と叱って弟が反省するというくだりがあるのですが、結局は反省しているのかどうか、弟のこれからの行動しだいだとしめてきます。読者にもその先を考えろという問題提起なのかもと思える面白い作品です。